測量士をやってみたいけど、給料がいくらなのか気になりますよね。本記事では測量士の給料と仕事内容について解説します。
測量士とは?
測量士は道路やビルなどを建設する前に土地を測定する人です。公共物や建物などを作るために土地の面積や高低差などを実測するのが測量です。こうした細かいデータから地形図を作って、その場の環境や地形に合った建物の構造を考えるために測量は使われます。
測量を仕事にするには測量士や測量士補の資格が必要です。資格がないと測量はできません。測量士は測量計画を考案できますが、測量士補はプランの立案はできません。測量士と測量士補の違いは設計ができるかどうかにあります。
資格を取るには試験などいくつか方法がありますが、測量士は難易度が高く、測量士補の方が目指しやすいでしょう。
気になる測量士の給料は?
測量士は月給が安く、ボーナスが大きい傾向にあります。
企業規模によって給料は異なる
こちらは2019年のデータとなります。
規模 | 10人以上 | 10〜99人 | 100〜999人 | 1000人〜 |
年収 | 469万円 | 471万円 | 455万円 | 553万円 |
小規模の測量事務所より大規模の建設コンサルタント会社の方が年収は高くなります。ただ建設コンサルタントでは測量士の資格や実務経験が必須となります。一方、測量事務所では資格がなくても就職可能です。入社してから資格の取得を目指せます。
経験年数によって給料は異なる
資格がなくても測量事務所では就職・転職ができるので入社した数年間、年収は低めです。実践を積んで資格を取ると20代でも良い年収をもらえます。しかし40代以降になると、かなり上の役職につかないと年収は頭打ちになります。
地域によって給料は異なる
地域 | 東京都 | 大阪府 | 愛知県 | 福岡県 | 北海道 | 沖縄県 |
年収 | 430万円 | 374万円 | 356万円 | 351万円 | 340万円 | 309万円 |
参照 indeed
都市圏の方が年収は高い傾向にあります。これは測量の業界に限ったことではありません。
測量士になるには資格が必要?
資格がなくても測量会社に就職して働きながら資格を取ることはできます。しかし給料面や仕事でできることに限りがあるので資格を取得する方が働きやすいといえます。
測量士の資格と取る方法はこちらの2つです。
- 試験に合格する
- 大学や専門学校などを卒業して経験する
試験の概要
試験日時 | 2022年5月15日(日) |
試験会場 | 北海道、宮城県、秋田県、東京都、新潟県、富山県、愛知県、大阪府、島根県、広島県、香川県、福岡県、鹿児島県、沖縄県 |
試験科目 | 測量士補:測量に関する法規、多角測量、汎地球測位システム測量、水準測量、地形測量、写真測量、地図編集、応用測量 |
測量士:上記に加えて測量に関連する国際条約、地理情報システム | |
試験時間 | 測量士:10時〜16時(12時30分〜13時30分は休けい) |
測量士補:13時30分〜16時30分 | |
受験料 | 測量士:4,250円 |
測量士補:2,850円 | |
合格基準 | 1,400満点中910点以上でかつ、選択式700満点中400点以上 |
合格率(2021年) | 測量士:18% 測量士補:35% |
参照 国土地理院
試験は例年5月に年1回実施されています。毎年変動がありますが、測量士の合格率は大方10%程度。測量士の試験に合格するための勉強時間はおよそ300時間です。1日1時間で10ヶ月の学習が必要です。
課程を履修
試験以外に資格を取る方法は大学や専門学校で学ぶことです。大学や専門学校などで測量課程を修了して、実践を数年積めば資格を取得できます。
就職先は民間と公共があります。民間では測量会社、地図作成会社、不動産会社、コンサルティング会社など、公共では国交省の国土地理院、各都道府県の土木課などがあげられます。
測量士の仕事内容は?
測量を生業としている組織は、公共系と民間系があります。公共と民間では測量するものが少し異なります。
- 公共:道路、トンネル、公共建物
- 民間:家の境界、司法書士の登記に付随する測量
測量士の仕事は大きく2つあり、外業と内業に分かれます。仕事内容は公共・民間どちらも共通です。
測量士の業務|外業
外業は実際の現場へ行って測量をする仕事です。現場は道路やマンションの建設現場、山の中など様々。依頼のある現場へ重い機材を持って数人で作業する、なかなか体力の必要な業務です。
測量士の業務|内業
内業は測量の計画書の作成や測量データをまとめて図面や地図作成などをします。日中は現場に行くので事務作業は外業から戻って来て行います。特に、年度末は忙しくなるので残業になることもあります。
測量士の給料を上げる方法
測量士の給料はそれほど高いとは言えません。
給料を上げるためにもにはスキルアップと資格の取得を目指しましょう。
給料を上げるにはスキルを磨こう
測量の技術は進歩しています。今はドローンを使った測量も可能になっています。ドローンを使う航空測量や海のデータを集める海洋測量など、専門的な測量は高収入につながります。ドローンを学ぶには認定資格を取るのが良いでしょう。2日で認定資格を取得できます。
海の測量は日本水路技術者協会が実施する水路測量技術者試験があります。2級であれば誰でも受験資格があるのでチャレンジしてみましょう。
参照 日本水路協会
コミュニケーションスキルが高いと給料が高い傾向にあります。測量は1人でできる作業ではありません。必ず複数人で作業をします。作業をスムーズに行えるのはコミュニケーションスキルは必須です。
測量をする企業は比較的小さな測量事務所がたくさん存在します。規模が小さい組織では若くても認められれば出世可能です。
資格を取って給料アップを目指そう
測量士の給料は若手の時は上がりやすいですが、40代を超えてくるとあまり上がらないことが目立ちます。そんなときに役立つのが測量以外の資格です。公共と民間では給料アップにつながる資格が違います。公共で役立つ資格はこちらです。
- 地理空間情報専門技術認定
- 補償業務管理士
地理空間情報専門技術認定は測量士としてのスキルの証明となります。入札の際に有資格者が在籍することが条件になることがありますので、自治体で働く測量士は持っていて損はない資格です。
公共事業では土地や河川を整備するときに民間の土地を買うことがあります。その際に所有者に対して対象の土地を評価して補償します。その評価と補償をするのが補償業務管理士です。資格を取って測量以外もできることを証明すれば給料アップが望めます。
次に民間で役立つ資格はこちらです。
- 土地家屋調査士
- 行政書士
- 宅建士・不動産鑑定士
土地家屋調査士は土地と家の調査・測量して不動産の登記申請を代理します。会社にとってはわざわざ調査士を雇う必要がなくなるので重宝されます。行政書士や宅建士も同様ですが、民間で役に立つ資格は顧客の手間を減らせる資格です。
測量士のメリット・デメリット
測量士の給料など待遇面について紹介して来ましたが、ここでは仕事としての測量のメリットとデメリットをご紹介します。
メリット
測量を行っている会社には営業所ごとに1名は測量士か測量士補を在籍させる義務があります。測量士が多くいる企業は評価が上がり受注しやすくなります。
建物を作るには必ず測量が必要なため、需要は常にある安定した仕事です。平均年齢が40代なので長く働く人が多いです。また、土地家屋調査士や行政書士を持っているとお客様を獲得しやすくて独立を目指せます。
デメリット
測量の仕事は体力勝負であるのがデメリットです。重い機材を担いで一日山の中で作業することもある重労働です。
また、危険な地域に行くこともあります。例えば、災害があった時は休み返上で危険な場所の測量をすることもあります。
まとめ|測量士は他者に尽くせるのでやりがいが大きい
測量の仕事はドイツでは弁護士と同じくらい権威がある素晴らしい仕事です。建築工事や土木工事の現場で基盤となる仕事なので、建物が完成した後もその建物がある限り何年も何十年も人の役に立つことができます。町づくりに貢献したと感じられ、社会に貢献したい人にはおすすめです。興味が湧いた方はぜひ検討してみてください。
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