屋根塗装について!工程の流れや費用など転職で知っておきたい情報まとめ

塗装業も建築業界の一つです。建築業界への転職を考えている方は当然チェックしているでしょう。わたしたちの生活に身近な施工の一つに屋根塗装があります。転職後にお客様から屋根塗装を依頼された際はどのような説明が必要なのでしょうか。

ここでは屋根塗装の流れや費用の相場、さらに所要期間や耐用年数を説明しながら、塗装業の平均的な給与についても紹介していきます。

屋根塗装の流れと工程

転職後に行う作業内容をイメージしやすくするためにも、まずは屋根塗装の流れや工程を確認しておきましょう。近隣の方への挨拶や足場の設置など塗装に移る前の準備も大切です。

点検・見積もりと打ち合わせ

まずは事前にご依頼いただいた住宅の屋根の状態を点検したうえで、見積もりを提示します。屋根の広さとともに、屋根に修復が必要な個所があるか、使う塗料の種類によっても見積もりの金額が変わります。

しっかりした説明がないと後になって「こんなはずではなかった」「イメージと違った」などというトラブルにもつながり兼ねません。見積もりに納得していただけたら希望のカラーや施工の日などを打合せで決定してください。

ご近所への挨拶

施工日が決まったらその前にお客様のご近所へ挨拶に伺い、屋根塗装を行う旨の説明を行います。施工の際は足場の設置などで多少音が出ますし、中には塗料のにおいが気になる方もいるでしょう。塗装している間に近隣トラブルを起こさないためにも、この挨拶は重要です。

逆にいえば、しっかりとした挨拶を事前に済ませている業者は信頼されやすくなります。ご近所への挨拶は自社のアピールにもなるでしょう。

足場の設置

まず最初に屋根塗装をする住宅の周りに足場を設置し、その外側をメッシュのシートで覆います。メッシュのシートは作業するスタッフの落下防止と塗料の飛び散り防止の2つの役割を持ちます。

足場はスタッフが安全に作業する上でなくてはならないものです。屋根の形状に関わらず、必ず設置することになります。

屋根の洗浄

屋根塗装を考える築年数になると、屋根は長年紫外線や風雨にさらされ続けた影響で非常に汚れています。屋根の表面にほこりや汚れがあると塗料がきちんと密着しないので、塗装を始める前にまず屋根の徹底的な洗浄が必要です。

苔などが生えている場合も一緒に洗い流してしまいます。屋根をきれいにすることで、塗装前に手入れや補修が必要な個所もよりはっきりとわかるでしょう。洗浄には高圧洗浄機を使用し、洗浄の後は屋根をよく乾かします。

下地の処理や補修

築年数が大きくなると屋根には汚れだけでなくダメージも積み重なり、様々な綻びも見られるようになります。極端な話ですが屋根塗装をしてすぐ屋根材が剥がれたり、雨漏りするようになったとあれば大問題です。塗装前に放置しておくと危険なダメージを修復する必要があります。この下地の処理は仕上がりを左右すると言ってもいい大切な工程です。

錆がある場合そのまま上に塗料を塗ってしまうと剥がれの原因になります。やすりなどできれいに削り落としましょう。

ひび割れ

屋根にひび割れがある場合、放っておくと割れて屋根材が落下したり雨漏りの原因になることがあります。細かいひび割れの場合はコーキング剤で簡単に補修できますが、大きく破損している場合は屋根材の部分的な交換も必要です。

シーリング

シーリングが痛んでいる場合も雨漏りの原因になる場合があるので、打ち増しや交換を行います。

釘の浮き

屋根の釘は年月とともに浮いてくることが多いので、浮いている部分をしっかりと打ち直します。

1つ前の工程の高圧洗浄とこの下地処理を逆の順番で行う業者もあります。

養生

下地処理を終えるといよいよ塗装に移りますが、その前に屋根の周りのベランダや窓それに柱などに誤って塗料が付かないように養生をします。ビニールシートや新聞などを使いますが、角度によっては地面や植木等にも養生することになるでしょう。

3度塗り

屋根塗装は3度塗りが基本で、スプレーではなく刷毛やローラーを使うことが多いです。それぞれの工程で塗った塗料が完全に乾いてから、上塗りを行います。

下塗り・乾燥

下塗りは上塗りの塗料をしっかり屋根に密着させたり、細かい傷を埋めたりする役割があります。屋根の素材によって使われる塗料が変わるので注意しましょう。下塗りはシーラーやプライマーと呼ばれることもあります。

中塗り・乾燥

中塗りと次の上塗りにはお客様が希望したカラーの同じ塗料を使います。塗料は薄めて使いますが、薄める率を間違えるとメーカーが保証するような機能や耐久性は得られません。塗料の性能を確保するために塗料や塗料を薄める水やシンナーの量を測りながら、カタログの規定通りに配合しましょう。

上塗り・乾燥

中塗りが完全に乾いたら次は上塗りをします。上塗りをすることで仕上がりがよりムラなくきれいになるのはもちろん、耐久性を持たせることもできます。

薄い素材を重ね合せたストレート屋根の場合、塗装が終わった後素材と素材の間に埋まった塗料をカッターなどでそぎ取る縁切り(タスペーサー)という作業が必要です。

完了点検

3度の塗装が終わったら塗り残したところがないかや、不要なところに塗料が飛んでいないか等を丁寧に点検します。塗り残しやムラがあった場合は手直しも行いましょう。お客様立会いで点検を行うことでより安心してもらえますし、信頼関係も築くことができます。

足場の撤去と片付け

最終チェックが問題なく終われば撤収作業に入ります。足場を撤去して運び出し、足場を組むためにどかしたものは元の場所に戻します。建物の周りの掃除やご近所への挨拶も行う業者が多いです。

屋根塗装の所要期間

屋根塗装は完成までの工程が多く、塗料を重ね塗りする際に十分な乾燥期間を置かないといけないため1日や2日で終わらせるのは不可能です。転職後に施工にあたる際は、所要期間についてもあらかじめお客様に説明するようにしてください。

家の大きさや屋根の補修や修復がどの程度必要かで多少前後しますが、所要期間は大体1週間前後です。屋根だけでなく外壁の塗装をする場合は2週間前後見ておきましょう。

屋根塗装の耐用年数

一般的に屋根塗装をするのは家を建ててから10年が目安とされています。お客様の住宅が築10年前後の場合は、屋根の状態を整え美しい外観を保つためにも塗装をおすすめしたいです。

一度屋根塗装をして後何年くらいでまた塗り替えが必要かは、使用した塗料により変わります。これは塗料によって耐用年数が変わるからです。一番よく使われるシリコン塗料なら7年から10年目安ですが、耐久性の高いフッ素塗料や遮断熱塗料なら15年から20年もちます。

耐久性の高い塗料ほど費用が高くなりますが、塗料自体の値段が高くても塗装の際にかかる足場設置の費用などを考えると長期的にはコストは抑えられる可能性もあります。

屋根塗装のおおよその費用

屋根塗装にかかる費用には塗料代や足場代それに人件費など細かい項目があり、家の大きさや塗料によって値段が前後します。30坪(塗装面積75㎡)の住宅の場合、合計で大体35万円から60万円の間に収まることが多いです。

屋根塗装の見積もりを出す場合それぞれの工程にかかる費用を、塗り面積に応じて計算していきます。それぞれの項目の1㎡あたりの単価も紹介しておきましょう。

項目1㎡あたりの価格
仮設足場600円から1,000円
ネット100円から200円
養生250円から400円
高圧洗浄100円から300円
下地の処理200円から900円
下塗り600円から1,100円
中塗り1,400円から5,500円
上塗り1,400円から5,500円
縁切り(タスペーサー)400円から600円

中塗りと上塗りに使う塗料の種類によって大きく値段に違いが出ますが、よく使われるシリコン塗料だと2,000円から3,000円、フッ素塗料だと3,500円から4,800円が相場になります。転職後はお客様の予算や希望を確認しながら、それに最適な塗料の種類などを提案できるようにしたいです。(こちらにかかる人件費や諸経費は会社によって様々ですので、あくまでも参考程度でお願いいたします。)

屋根塗装の給与

建築業界でも屋根塗装を行う会社に転職する場合、大体どれくらいの給与がもらえるのでしょうか。屋根塗装は塗装業になるので建築塗装工の平均給与を厚生労働省のデータをもとに紹介します。

建築塗装工の全国平均給与は408.6万円です。平均的な月収は25万円ですが、日給で支給する会社もあります。日本全体の平均給与がおよそ430万円なので、若干低めです。

高卒や高卒未満で就職する人が多く、入社時の経験も問われないことがほとんどです。会社によって週休二日制か日曜日と祝日だけの休みか変わり、繁忙期や工期によって残業や休日出勤が発生することもあります。

全国的に平均年齢は若めで、正社員はもちろんフリーランスとして働いている方も多くいます。長く続けることで資格取得や現場管理への道も開けるでしょう。

まとめ

屋根塗装はただ塗装するだけでなく、足場の設置や洗浄それに下地の処理など沢山の工程を経て完了します。建築業界や塗装業への転職を考えている方は、大体仕事のイメージがつかめたでしょうか。

転職後は試用する塗料によって費用が変わってくるので、耐久年数と合わせてそれぞれのお客様にあった塗料を提案できるようになりたいです。また施工前に近所の方への挨拶をしたり、施工後にきちんと片付けたりすることもお客様に満足していただけるポイントになるので気を付けてください。

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